幸せを数えたら、片手でも足りるが、不幸せを数えたら、両手でも足りない・・・・・、そんな24歳の娘が、大寒の日、翌日からのコロナ休業に、うっすらとすみれ色の涙を浮かべておりました。 千葉に住んでいた彼女は、2歳の時、両親が離婚しました。タネ違いの兄2人は、そのまま千葉で母と暮らし、彼女は、父の故郷の九州に行き、父方の祖母と一緒に暮らすことになりました。彼女は、まだ2歳だったので、母や兄の記憶が全くなく、また、離婚後、一度も母や兄たちに再会した事がないそうです。そんな境遇を想像できますでしょうか・・・・・？ ところで、父は、九州で調理師をしていたのですが、彼女が高2の夏、大型のトラックに轢かれて、亡くなってしまったそうです。享年47歳でした。トラックが会社所有のものだった為、叔父が弁護士を立てて交渉した結果、一定の金を得ました。しかし、彼女はまだ未成年だった為、後見人だった叔父の通帳に金が振り込まれてしまいます。まあ、専門学校1年分の学費は、そこから支払われましたので、全てという訳ではありませんが、かなりの金額を叔父が私物化してしまったようです。その結果、彼女は、現金を一銭も手に出来ませんでした。 彼女は、19歳で専門学校を卒業後、寝たきりの祖母の世話をしながら、アルバイトをし、なんとか暮らしてきました。親等の近さから言えば、叔父が世話をすべきだと思うんですがねえ・・・・・。その後、祖母は彼女が22歳の時、つまり、2年前に他界します。祖母も、父同様、財を持たない人でしたので、祖母の世話をしたにもかかわらず、彼女は金銭的なものを何も得ませんでした。それどころか、祖母の年金がなくなり、生活は、更に苦しくなりました。そして、さらに追い打ちをかけたのが、２年前からのコロナ禍です。昼は、レストランで働き、夜は、スナックに勤めてきましたが、緊急事態宣言やマンボウのある度に、スナックの仕事がなくなり、収入が激減します。今回のマンボウでも、彼女は、スナックが休業になりますので、レストランの仕事だけで暮らしていかなければなりません。おそらく、一か月で10万円行くか行かないかぐらいになると思いますが、その中から、家賃を払い、光熱費を払い、携帯代を払うという事になれば、手元にいくら残るのでしょうか？ご飯を三食、口にできるのでしょうか？服など、買う余裕はないかもしれません。「若いし、そこそこ綺麗な娘なので、男を見つければいいじゃないか・・・」と、昭和世代の某（それがし）などは思いますが、１５歳から２０歳までの６年間お付き合いをし、結婚まで誓い合った近所の同級生に裏切られ、男性不信になっている為、その線は難しいかもしれません。男に頼れず、親にも頼れず、兄弟にも頼れず、そして、親戚や祖父母にも頼れない、この24歳の娘は、それでも一人で生きて行かなければなりません。大寒の日の彼女の涙は、「将来への不安の表れ」だったのかもしれません。某には、彼女の目にうるんでいた涙が、すみれ色に見えました・・・・・。 さて、今回、皆様にご紹介する商品ですが、「寂しさ」「おしとやかさ」「上品さ」、そして、どことなく「色気」も感じさせる色味の、「パープルサファイア」でございます。カットが、細かく丁寧に行われている為、瞳にうるむ涙のようなきらめきをご覧になる事が出来ます。