希少図録本浦野理一日本の伝統の色見本帖日本の色と紋様正絹縮緬裂貼付色見本帳全300枚揃い江戸の紋様解説定価20万円染織紬お召友禅帯着物 コレクション

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浦野理一 日本の伝統の色見本帖 日本の色と紋様 正絹縮緬裂貼付色見本帳300枚揃い 色見本帳 図録本 解説本
浦野理一 監修 浦野範雄 責任編集 毎日新聞社 1992年 解説本2冊揃い 布張り上製本 ・台紙貼色見本帖 正絹縮緬裂全300枚揃い(各4枚を収めた台紙全75枚揃い) ・解説 日本の色 79ページ ・江戸の紋様 111ページ 帙箱 金箔押し布張り上製 約38x28x12cm(帙箱の寸法) 定価 20万円
※絶版

雑誌ミセスの表紙、映画小津安二郎監督の映画作品の中で衣装を担当し、 小津好みとしても知られる、昭和後期を代表する染織家・浦野理一がつくり出すその凛とした品格のある色彩は、現代でも大変人気のある作家。 染色家であり、着物のデザイナーであり、色と裂と模様に関する古書のコレクターでもあった浦野理一が、 生涯をかけて蒐集した膨大な古書・古見本帖などをもとに、 熨斗目色、蘇芳紅、利休柿、利休鼠…日本文化の基底を成す色と紋様を集大成し、息子の染織研究家・浦野範雄氏が解説を付した大著。
絹100%・正絹縮緬の裂を和糊で貼り付けたカラー図版300点(裂4枚を貼付けた台紙75枚)はすべて揃っており、大変豪華な図録本です。 台紙貼色見本帖に取り上げられている色は、現代人が、着物に、洋服に、また、身の回りの身近な色に、すぐ受け入れ可能な色ばかり。
とくに、「浦野理一の色」として、浦野理一が生み出したオリジナルな色、特にこだわって好んで帯や着物などの作品に愛用した色は、たとえようのないやわらかい品格のある風合いを醸し出し、見る人の心を捕らえて、いつしか浦野理一独自の世界を展開させており、台紙貼付色見本と同色を使用した、浦野理一作品のリストも収載。
「江戸の紋様」本は、浦野理一が収集した紋様帖、紋帳の中から厳選した作品を多数収載。 模様は、題材を風景から生活用品にいたるまでに求めており、そのデザインは、かえって斬新と思えるほど。 紋帳二種では、当時の人々が、厳しい階級制度なか思いの外自由闊達に遊び、表現しており、江戸の粋、洒脱を知ることができるもの。
色・紋様の解説書全2冊と、台紙貼色見本帖 正絹縮緬裂4枚を収めた全75枚揃い。 布張金箔押しの帙入大型図録本。 きもの、帯、和装小物、御召、お召、紬、和風デザイン、大正ロマン、江戸時代、明治時代の日本美術、骨董品等愛好家必携、今となっては入手困難・大変貴重な資料本です。


【色と色名について】より 浦野範雄 今回、色見本を制作するにあたって、現存する江戸時代の色本、明治時代の色本、大正時代の色本から、その色本の色、色名をできるだけ忠実に再現した。色名も識者にお願いして解読していただき記載した。 しかし、江戸から明治、大正と時代が移り、それぞれの時代差、色本の作者、名付人、染、染色方法が変遷を重ねていることが読みとれ、また、それぞれの時代の作者が参考にした色、布、色名の読み方、現代にいたるまでの保存の仕方によって、同じ色、色名でもこんなに違うものなのかと思う色が多々あった。 こうした時代の色を再現するにあたって、あえてその時代の浮世絵、錦絵、版画などの色にできるだけ忠実に合わせることとした。 色名については、古書には仮名と、漢字、字の書き方、読ませ方にもいろいろある。例えば「婦じ」、「藤」といったものがある。その中のいくつかは、よび名は一緒だが、色が違うというのもあったので、一方に江戸という名を頭につけ、「江戸婦じ」として区別した。そうすることにより江戸の感覚に近づけ、明治の感覚に近づけるようにした。 これ以外にも、もともと江戸何々という色名は多く見られた。 また、利休の名を冠したものも多くあり、「休」を「久」と書いたものも見られたが、原本のままとした。鉄も「鐵」と「鉄」があったがそのまま掲載した。 台紙貼色見本帖の色は、それぞれ江戸・明治そのものでなく、いまに使える色、つまり現代人が、着物に、洋服に、また、身の回りの身近な色に、すぐ受け入れ 可能な色ばかりである。
【目次】 歴史に見る色 日本人の色と色彩感覚 飛鳥・奈良の色と時代相 平安時代に見る襲の美意識 武士の台頭と鎌倉の色 閑寂と侘寂 室町の色 豪華絢爛と珍奇 桃山の色 色の開化と爛熟 江戸の色が生まれた背景 町人の力と流行をつくる感性 友禅の流行と琳派 伝統の色の再現と浦野理一の色 版画の衣裳に見る色 「台紙貼色見本帖」の色資料 文学に見る色  「台紙貼色見本帖」の色資料 大正叙情の色 「台紙貼色見本帖」の色資料 浦野理一の色 「台紙貼色見本帖」の色資料 基本色の解説 赤 青 黄 日本古来の草木染による色 緑 茶 紫 鼠・黒  索引(五十音順・色別)
【浦野理一の色】より一部紹介 ■日本の「色」蒐集の六十年 浦野理一は、染色家であり、着物のデザイナーであり、また、色と裂と模様に関する古書のコレクターでもあった。 とくに、色については厳しく、納得のいく色が出来上がるまでは、何回でもやり直し、つねに追従を許さないオリジナルな色を追求し続けていた。 新しい色をつくり出すためには、古きを知らなくてはならない。そのため、江戸時代の色本と模様本の蒐集には、大変なエネルギーを費やした。まさに東奔西走、北海道から九州までを旅しながら、求めた古書は、数知れない。 それによって、六十数年の間に、もういまではほとんど手に入らないと思われるような、貴重な色に関する本が書庫に溜まり、いま色のブームのなかで、われわれの仕事にとって得難い資料となっている。 その多くは、江戸から明治・大正時代にわたるものである。 当時の呉服屋が、お客から注文をとるための色見本帳、裂見本帳で、いまでいうサンプル帳であったと思われる。お得意さんを回って、見本帳で注文をとり、紺屋へ発注する大切な商売道具だ。 この色本にのっている多くの色は、絵の具や顔料で塗られ、色名や番号がふられている。一冊に約五十色くらいで、一色一色に書かれている色名は、むろん墨の文字だ。当時紺屋商人は、楷書というのを使わなかったらしく、ほとんどが、行書、草書のいわゆるくずした文字だ。すべて手書きしなければならないうえに忙しかっただろうし、確かに楷書では堅苦しい。フアツション関係の商売だから優しく表現するという意図もあったのかもしれない。しかしこれが、当世のわれわれには、はなはだ難読で、解読しにくい。 おそらく、その店の定番の色にその年の新色を加え、ほかの店にないような、オリジナルな色名をつけたりもしただろう。 だから、何十冊もの色本を見ていると、あきらかに、同じ色と思われるのに、名前が違うものがかなり見られる。色名をつけるには、店の主人と番頭だけでなく、いわゆる当時のデザイナーでもあり、文化人でもあった画家たちや俳諧師などが加わっていたかもしれない。 ■色のネーミングに見る江戸の感性 そこにちりばめられている色名の数々は、実に美しい。そして、粋のきわみともいえる表現だ。たとえば同じ鼠色でも、利休鼠というと、利休好みの鼠色というほどの意味だろうが、最初にこれをネーミングしたコピーライターは、実に大胆かつ人の心を読んでいたと思われる。身につければ、なにがなし利休にあやかれるような気がするではないか。 この色は、北原白秋が『城ヶ島の雨』で、利休鼠の雨とうたって、一躍現代にクローズアップされた感があるが、日本独特の、うるんだ景色に煙る鼠色が、われわれには連想できる。 ここが、利休とは何色で、それに鼠色を足すとこの色になる、と割り切らないとすまない現代人、もしくは外国人に理解できないところだろう。 この場合の「利休」は、色であって、色でない。色につけられた枕詞のようなものでもあり、いかにも利休が好みそうな「侘」を加えた色、いままでの鼠色とはひと味も二味も捻っていると(後略)
浦野理一は、そんな贅沢な色を求め、つくり続けて、いつしか九十歳を迎えていた。 ■作品にとくに使われた色 ここに、数多くの色のなかから、とくに浦野理一が、自らの作品に好んで使った色をあげてみよう。 浦野理一 二百三十三番・二百四十三番(…略…)二百七十一番 この色は、訪問着などの地色に使用し、たとえようのないやわらかい品格のある風合いを醸し出している。そこに描かれたひとつひとつの模様を鮮やかに浮き出させ、見る人の心を捕らえて、いつしか浦野理一独自の世界を展開させている。 大胆な色を模様のなかに多く取り入れているが、彩色の妙、その手法はほかに見られない独特のものがある。 浦野理一 二百三十番・二百三十一番・(…略…)二百六十九番 とくにおもしろいのは。原色に近い色を大きな模様に用い、洋服にも通じる感党でつくりあげているところで。数多くの人々の共感を得た色でもある。 浦野理一 二百二十九番・二百三十一番・(…略…)二百九十八番 手描本友禅染の帯に数多く使用し、着物とは異なる鮮明な感覚で仕上げている。先に述べた訪問着の模様などは、ひと味もふた味も違い、優美さと品がそれぞれ溶け合った独特な作品ばかりである。 ■「台紙貼色見本」の色資料(数字は色見本の色番号) ■着物作品に見る浦野理一の色 <台紙貼付色見本と同色を使用した、浦野理一作品のリスト> 229 浦野理一 一番 手描本友禅名古屋帯地色 真綿紬無地着尺 230 浦野理一 二番 手描本友禅訪問着地色 真綿紬無地粁尺 231 浦野理一 三番 手描本友禅名古屋帯地色 大輪菊模様を手描 232 浦野理一 四番 手描本友禅名古屋帯地色 丸紋小鳥模様を手描 233 浦野理一 五番 手描本友禅訪問着地色 枝垂れ桜模様 234 浦野理一 六番 手描本友禅名古屋帯地色 手描本友禅訪問着地色真綿紬無地着尺 235 浦野理一 七番 手描本友禅名古屋帯地色 手描本友禅訪問着地色 236 浦野理一 八番 手描本友禅訪悶着地色 真綿細無地着尺 237 浦野理一 九番 手描本友禅名古屋帯地色 芍薬に小鳥模様 238 浦野理一 十番 手描本染振袖地色 遠山に鶴亀模様 239 浦野理一 十一番 手描本友禅訪問着地色 真綿紬無地名古屋帯 240 浦野理一 十二番 手描本友禅名古屋帯 若松模様 241 浦野理一 十三番 手描本友禅名古屋帯地色 242 浦野理一 十四番真綿紬無地着尺 ほか

●江戸の紋様
【はしがき】 より 色と同じように、日本で紋様や模様が著しく発達したのは、やはり世の中が安定し、人の心も落ち着いた、江戸時代も半ば以降からである。 浦野理一が、初めて紋様本、模様本に出会い、興味をもち、蒐集しようと思い始めたのは、まだ二十代のころと聞く。そのころの理一は、日本橋白木屋の呉服部に勤務していた。入社一、二年しかたっていなかったある日、仕事で出向いた家で、その家の主人が、部屋いっぱいに資料本を広げ、整理していた。その整理を手伝ったとき、素晴らしい模様がたくさん描かれた何十冊にもおよぶ模様本に出会った。 そのなかにあった本こそ、のちに、理一の模様本・紋様本蒐集の第一番めとなった、『織紋図鑑』全四巻であった。これは、明治三十五年一月発行、当時のカラー印刷が施されており、まだ、モノクロ印刷が多かったなかで素晴らしい色遣いであった。たちまち理一はこの本に魅せられてしまう。ちなみに、現在は、父より受け継ぎ私が所有しているが、現在見ても文句なしに素晴らしいといえるものだ。父が、古本屋でその本にめぐり会ったときの喜びは、いかようなものであったろう。以来、父は、多少のゆとりができると、各地の古本屋、古物商へと出かけ、一冊また一冊と古書を増やしていった。 それらは、江戸中期以降のものが多く、どのデザインも、時代を越えた新しさをもっている。本書に収録した紋様や模様からは、江戸文化の華やかさと、当時の人々の豊かな感性をうかがい知ることができる。 なかでも小紋帳は、江戸小紋、友禅小紋、紅型小紋それぞれが、絵具によって彩色されており、この色を見ることによって、これらを選んで着物を誂えた時代の人々と、生活の彩りが彷彿とする。 本書では、頁数の関係もあり、その彩りの一部を知っていただくのみであるが、小紋以外には、理一がもっともよく研究した江戸更紗と、中型といわれる浴衣紋様を載せた。 また墨版によるものは、 『古代模様式図考』上・中・下三巻 版元 文昌堂 磯部太郎兵衛 明治三十二年五月十二日印刷 『紋帳色葉分』 版元 不詳 『紋帳図式綱目』 版元 書林 油屋甚七 宝暦十二年礼月吉日 の五冊のなかから抜粋した。 なかでも『古代模様式図考』三巻は、それぞれの表紙に原図諸大家とあり、次のようなその時代一流の画家の名前が連ねられている。 狩野元信 尾形光琳 野村宗達 岩佐又平 英一蝶 酒井抱一 谷文晁 菱川師宣 葛飾北斎 柴田是眞 菊地容斎 ここに描かれている模様は、題材を風景から生活用品にいたるまでに求めており、そのデザインは、墨版によっていまの時代に、かえって斬新と思える効果をあげている。 紋帳二種に関しては、当時の人々が、厳しい階級制度のなかでも、こうしたところで、かなり自由闊達に遊び、表現していたという片鱗がうかがえるものである。 この紋様本によって、江戸の粋、洒脱といった表現のいささかでも、垣間見ていただけたなら幸いである。 ㈱うらの代表取締役 染織研究家 浦野範雄
【目次】 江戸の紋様 小紋 更紗 中形 古代模様式図考〔上〕 古代模様式図考〔中〕 古代模様式図考〔下〕 原図諸大家 狩野元信 尾形光琳 野村宗達 岩佐又平 英一蝶 酒井抱一 谷文晁 菱川師宣 葛飾北斎 柴田是眞 菊地容斎 紋帳色葉分 紋帳図式綱目



★状態★ 1992年のとても古い本です。 帙箱の外観は通常保管によるスレ程度、本2冊の外観は経年によるしみ色むらあり、 天小口・扉や見開き、見本裂貼付台紙など余白部に経年しみあり、 本文は目立った書込み・線引無し、見本裂も画像のとおり経年並良好、 問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)
<絶版・入手困難本>オークションにも滅多に出ない、すべての見本裂300枚の揃った貴重な一冊です。 古本・品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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